アクアチムはニキビに効く?抗生物質の効果と使い方を解説

ニキビの治療薬として処方されることの多いアクアチム。皮膚科を受診した際に処方された経験がある方も多いのではないでしょうか。アクアチムはニキビの原因菌であるアクネ菌に対して効果を発揮する抗生物質の外用薬です。しかし、「どんな仕組みで効くのか」「どのように使えばいいのか」「副作用は大丈夫なのか」といった疑問を持っている方も少なくありません。この記事では、アクアチムの成分から効果、正しい使い方、注意点まで詳しく解説します。ニキビ治療に取り組んでいる方や、処方されたアクアチムについてもっとよく知りたい方はぜひ参考にしてください。


目次

  1. アクアチムとはどんな薬?基本情報をおさえよう
  2. アクアチムの主成分ナジフロキサシンとはどんな成分?
  3. ニキビの原因とアクアチムが効く仕組み
  4. アクアチムクリームとローションの違い
  5. アクアチムの正しい使い方と用量
  6. アクアチムで期待できる効果と効果が出るまでの期間
  7. アクアチムの副作用と注意点
  8. アクアチムを使う際に気をつけたいこと
  9. アクアチムが向いているニキビのタイプ
  10. アクアチム以外のニキビ治療薬との比較
  11. 市販薬との違い:なぜ処方薬が必要なのか
  12. アクアチムを使っても改善しない場合はどうする?
  13. まとめ

🎯 アクアチムとはどんな薬?基本情報をおさえよう

アクアチムは、大塚製薬が製造・販売する抗生物質の外用薬(塗り薬)です。ニキビ(尋常性ざ瘡)をはじめとする皮膚の細菌感染症に対して広く使用されており、皮膚科においてよく処方される薬の一つです。

一般名は「ナジフロキサシン」といい、キノロン系(ニューキノロン系)と呼ばれる抗生物質に分類されます。キノロン系抗生物質は幅広い種類の細菌に対して抗菌作用を持つことが特徴で、ニキビの原因菌であるアクネ菌(Cutibacterium acnes)に対しても高い効果を発揮します。

アクアチムは外用薬(外から塗るタイプ)であるため、全身への影響が少なく、内服薬に比べて使いやすいという利点があります。また、クリームとローションの2剤形があり、肌の状態や部位によって使い分けることができます

医療機関での処方が必要な薬であり、市販薬として購入することはできません。そのため、アクアチムを使用するためには皮膚科やニキビ専門クリニックを受診する必要があります。

📋 アクアチムの主成分ナジフロキサシンとはどんな成分?

アクアチムの有効成分であるナジフロキサシン(nadifoxacin)は、ニューキノロン系抗生物質の一種です。ニューキノロン系とは、従来のキノロン系抗生物質を改良して開発された薬剤群で、幅広い細菌に対して抗菌活性を持ちます。

ナジフロキサシンは、細菌のDNA複製に必要な酵素(DNAジャイレース・トポイソメラーゼIV)の働きを阻害することで、細菌の増殖を抑制します。細菌はDNAを複製することで増えていきますが、この酵素の働きをブロックすることでDNA複製が妨げられ、細菌が死滅するのです。

ナジフロキサシンは特にグラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示します。ニキビの原因菌であるアクネ菌(Cutibacterium acnes)はグラム陽性菌であるため、ナジフロキサシンはニキビ治療に特に適した抗菌成分といえます。

また、ナジフロキサシンは外用薬として設計されており、皮膚への浸透性が高い特性を持っています。毛穴の奥深くまで浸透することで、毛包の中で増殖しているアクネ菌に直接作用できるよう設計されています。

さらに、ナジフロキサシンには抗菌作用に加えて、抗炎症作用があることも研究で報告されています。ニキビに伴う赤みや腫れなどの炎症症状を和らげる作用があることが示唆されており、多面的な効果が期待できる成分です。

💊 ニキビの原因とアクアチムが効く仕組み

アクアチムの効果を理解するためには、まずニキビができるメカニズムを知っておくことが重要です。ニキビは「尋常性ざ瘡」という皮膚疾患の一種で、毛穴のつまりと細菌の感染によって引き起こされます。

ニキビができるプロセスは大きく4つのステップに分けられます。まず、皮脂の過剰分泌が起きます。思春期のホルモン変化や生活習慣の乱れ、ストレスなどによって皮脂腺が刺激され、過剰な皮脂が分泌されます。次に、毛穴のつまりが起きます。古い角質が正常に剥がれ落ちずに毛穴の入り口をふさいでしまうことで、毛穴の中に皮脂がたまっていきます。

3番目のステップとして、アクネ菌の増殖が起きます。毛穴の中は皮脂が豊富で酸素が少ない環境です。アクネ菌(Cutibacterium acnes)はこのような嫌気性の環境を好む細菌で、毛穴の中で急速に増殖します。最後に炎症が起きます。増殖したアクネ菌が放出する物質が免疫系を刺激し、炎症反応が起きることで赤みや腫れ、痛みを伴うニキビ(赤ニキビ)へと発展します

アクアチム(ナジフロキサシン)はこのプロセスの中で、アクネ菌の増殖を抑制することで効果を発揮します。具体的には、毛穴の中で増殖しているアクネ菌のDNA複製を妨げ、細菌を死滅させることで、炎症の原因となる細菌数を減らします。細菌が減ることで炎症反応も抑えられ、赤みや腫れが落ち着いていきます。

また、ナジフロキサシンが持つ抗炎症作用も相まって、炎症を伴う赤ニキビや膿を持ったニキビに対して特に効果的とされています。ただし、アクアチムはあくまでも細菌を殺菌・抑制する薬であり、毛穴のつまりや皮脂分泌過剰そのものへの直接的な作用はありません。そのため、ニキビの根本的な治療には他の薬剤との組み合わせが重要になることがあります。

🏥 アクアチムクリームとローションの違い

アクアチムにはクリームとローションという2つの剤形があります。どちらも同じ有効成分であるナジフロキサシンを1%含んでいますが、基剤(成分を溶かしたり分散させたりするベースとなる物質)が異なるため、使用感や適した場面が違います

アクアチムクリームは、油と水を混合したクリーム状の製剤です。保湿効果がやや高く、乾燥しがちな肌や、乾燥した環境で使用する際に適しています。また、塗った後に比較的しっかりと肌に密着するため、有効成分が長時間皮膚に留まりやすいという特徴があります。一方で、ローションと比べるとやや油っぽさを感じる場合があります。

アクアチムローションは、水性の溶液をベースにした液状タイプの製剤です。さらっとした使用感で、べたつきが少ないのが特徴です。広範囲のニキビに塗布しやすく、毛が多い部位(頭皮の生え際など)にも使いやすいというメリットがあります。また、さっぱりとした使用感のため、皮脂の多いオイリー肌の方や、夏場など汗をかきやすい季節に向いています

どちらの剤形を使用するかは、肌質や使用部位、季節などを考慮して医師が判断します。自分に合った剤形について疑問がある場合は、処方時に医師や薬剤師に相談してみましょう。基本的にどちらの剤形も1日2回の塗布が基本とされています

⚠️ アクアチムの正しい使い方と用量

アクアチムを正しく使用することは、治療効果を最大限に引き出すためにとても重要です。以下に正しい使い方のポイントをまとめます。

まず使用回数についてです。アクアチムは通常、1日2回(朝と夜)の使用が基本とされています。医師から特別な指示がない限り、この回数を守るようにしましょう。使用回数を増やしても効果が増すわけではなく、むしろ皮膚への負担になる可能性があります。

使用量については、患部を覆う程度の適量を薄く塗布します。量が多すぎると肌への刺激になりますし、少なすぎると十分な効果が得られない可能性があります。薄くのばすイメージで使用するのがポイントです。

使用前の準備として、洗顔後に清潔な状態で使用します。汚れや皮脂が残った状態では薬の浸透が妨げられ、効果が十分に発揮されない可能性があります。また、洗顔後すぐに使用せず、肌が落ち着くまで少し待ってから使用するのもよいでしょう。

塗布方法については、ニキビが気になる箇所に直接塗布します。ニキビの部分だけでなく、ニキビができやすいエリア全体に薄く広げることで、予防的な効果も期待できます。ただし、目の周りや粘膜部位には使用しないように注意してください

使用期間については、医師の指示に従いましょう。抗生物質の外用薬は、症状が改善したからといって自己判断で使用を中止すると、耐性菌が生じやすくなる可能性があります。逆に、長期間にわたって使用し続けることも耐性菌のリスクを高めるため、定期的に医師の診察を受けながら使用することが推奨されます。

保管方法については、直射日光を避け、冷暗所で保管してください。特に夏場は高温になりやすい場所を避け、適切に保管することが大切です。また、子供の手の届かない場所に保管するように注意しましょう。

🔍 アクアチムで期待できる効果と効果が出るまでの期間

アクアチムを使用してどのくらいで効果が現れるかは、ニキビの状態や個人の肌質によって異なりますが、一般的な目安についてお伝えします。

炎症を伴う赤ニキビや膿を持ったニキビに対しては、使い始めから1〜2週間で赤みや腫れの軽減を感じ始める方が多いです。アクネ菌への抗菌作用が発揮され始めることで、炎症が和らいでいきます。ただし、あくまで個人差がある点は理解しておきましょう。

ニキビ全体の数が減少し、肌の状態が明らかに改善してくるのは、継続使用から4〜8週間後が目安とされることが多いです。抗生物質の外用薬は一定の継続使用が必要であり、数日で劇的に変化することはあまり期待できません。焦らず継続することが大切です。

アクアチムが特に効果を発揮しやすいのは、炎症を伴うニキビ(赤ニキビ・黄ニキビ)に対してです。アクネ菌の増殖を抑制することで炎症反応が軽減され、ニキビが鎮静化していきます。

一方で、アクアチムはニキビの予防にも使用されることがあります。すでにニキビがある部分だけでなく、ニキビができやすいエリアに薄く塗布することで、アクネ菌の増殖を事前に抑え、新たなニキビの発生を防ぐ効果が期待できます。

使用してもまったく効果を感じない場合や、悪化するような場合は、早めに処方してもらった医師に相談することが重要です。アクネ菌が薬剤耐性を持っている場合や、ニキビ以外の皮膚疾患である可能性も考えられるため、自己判断で使用を続けることは避けましょう。

📝 アクアチムの副作用と注意点

アクアチムは外用薬であり、全身への影響が少ない薬ですが、使用にあたって知っておくべき副作用や注意点があります。

最も多く報告されている副作用は皮膚への局所的な刺激症状です。具体的には、使用部位の刺激感(ヒリヒリ感・チクチク感)、かゆみ、赤み(発赤)、乾燥、皮膚の剥がれ(落屑)などが起きることがあります。これらの症状が強い場合や長く続く場合は、使用を中止して医師に相談しましょう。

まれに接触皮膚炎(アレルギー反応)が起きることもあります。アクアチムに含まれる成分に対してアレルギー反応が起きている場合は、赤みや腫れ、強いかゆみなどの症状が現れることがあります。このような場合は直ちに使用を中止し、医師に相談してください。

抗生物質の外用薬を使用する際に特に注意が必要なのが、耐性菌の問題です。抗生物質を長期間または不適切に使用すると、その薬が効かない耐性菌が生まれる可能性があります。アクアチムを使用する際は、医師の処方通りに使用し、自己判断での長期使用や再使用は避けることが重要です。

また、アクアチムの成分であるナジフロキサシンは光感受性を高める可能性があります。使用中は紫外線対策(日焼け止めの使用・帽子や日傘の活用など)をしっかり行うことが推奨されます。日光に当たることで皮膚の炎症が強くなる可能性があるため注意しましょう。

妊娠中・授乳中の方は使用前に必ず医師に相談してください。外用薬であるため全身への影響は少ないとされますが、念のため医師の判断を仰ぐことが大切です。

また、目の周りや粘膜(口の中、鼻の穴の中など)への使用は避けてください。これらの部位に使用すると強い刺激を生じる可能性があります。万が一目に入った場合は、すぐに大量の水で洗い流し、症状が続く場合は眼科を受診してください。

💡 アクアチムを使う際に気をつけたいこと

アクアチムをより効果的かつ安全に使用するために、日常生活の中で気をつけたいポイントをいくつかご紹介します。

まず、他の外用薬との併用については医師に確認することが重要です。ニキビ治療では複数の外用薬を組み合わせて使用することがありますが、すべての薬剤が相性よく使えるわけではありません。特に、過酸化ベンゾイルやアダパレンなどの他のニキビ治療薬との組み合わせについては、医師の指示に従いましょう

スキンケアとの組み合わせも大切なポイントです。洗顔後に化粧水などで肌を整えた後、薬を塗るタイミングについては医師の指示を確認しましょう。一般的には、スキンケアの後にアクアチムを塗布することが多いですが、製品によっては順番が異なる場合もあります。

ニキビを手で触ったり、無理につぶしたりすることは避けましょう。手には多くの細菌がついており、触ることでニキビが悪化したり、ニキビ跡(色素沈着や凹み)の原因になったりします。アクアチムで治療しながらも、このような行動を控えることが大切です。

生活習慣の改善もニキビ治療においては欠かせません。アクアチムを使用しながら、食事のバランス、十分な睡眠、ストレスの管理、適切な洗顔といった基本的なケアも並行して行うことで、治療効果がより高まります。特に糖質の多い食事や乳製品の過剰摂取はニキビを悪化させる可能性があるとする研究もあり、食事内容にも気を配ることが推奨されます。

定期的に医師の診察を受けることも重要です。抗生物質の外用薬は長期使用による耐性菌のリスクがあるため、定期的に治療の効果を評価し、必要に応じて治療方針を見直すことが大切です。自己判断で使用を継続するのではなく、医師の管理のもとで治療を進めましょう。

✨ アクアチムが向いているニキビのタイプ

アクアチムはすべてのニキビに同様に効果があるわけではありません。ニキビにはいくつかのタイプがあり、それぞれの特徴に応じて適した治療薬が異なります。アクアチムが特に効果を発揮しやすいニキビのタイプについて解説します。

アクアチムが最も効果的なのは炎症を伴うニキビです。具体的には、赤ニキビ(丘疹)と呼ばれる赤く盛り上がったニキビや、膿を持った黄色いニキビ(膿疱)に対して高い効果が期待できます。これらのニキビはアクネ菌の増殖による炎症が原因であるため、アクネ菌に直接作用するアクアチムが効果的です。

一方、白ニキビ(閉鎖面疱)や黒ニキビ(開放面疱)に対するアクアチムの効果は限定的です。これらは毛穴のつまりが主な原因であり、細菌感染よりも角質異常や皮脂の過剰分泌が関与しているためです。白ニキビや黒ニキビには、角質を正常化させる作用を持つレチノイド系薬剤(アダパレンなど)やイオウなどの角質溶解作用のある成分が効果的とされています。

ただし、白ニキビや黒ニキビの段階でも、アクネ菌が増殖し始めていれば炎症ニキビへの進行を予防するという観点からアクアチムが使用されることがあります。ニキビの状態を正確に評価するためにも、自己診断だけに頼らず、皮膚科や専門クリニックで診断を受けることをおすすめします。

また、背中や胸などのボディニキビに対してもアクアチムは使用されることがあります。背中のニキビは顔のニキビと同様にアクネ菌が関与していることが多く、アクアチムローションを使用することで治療することが可能です。広い範囲に使用する際には、ローションタイプの方が塗布しやすいため適しています。

📌 アクアチム以外のニキビ治療薬との比較

ニキビ治療に使用される外用薬はアクアチムだけではありません。アクアチムと他の代表的なニキビ治療薬の特徴を比較することで、それぞれの薬剤の役割を理解しやすくなります。

まず、アダパレン(商品名:ディフェリンゲル)との比較です。アダパレンはレチノイド系の外用薬で、毛穴の角化異常を正常化させる働きを持ちます。つまり、毛穴のつまりを解消し、ニキビの根本的な原因にアプローチする薬です。炎症を抑える効果は弱いですが、白ニキビや黒ニキビ(コメド)への効果が高く、新しいニキビの予防にも効果的です。アクアチムと組み合わせることで、炎症ニキビと非炎症ニキビの両方に対処できるため、実際の治療では併用されることも多いです

次に、過酸化ベンゾイル(商品名:ベピオゲル、エピデュオゲルなど)との比較です。過酸化ベンゾイルはアクネ菌に対する強い殺菌作用を持ちながら、アクネ菌が耐性を持ちにくいという特徴があります。また、角質溶解作用もあるため、コメドへのアプローチも可能です。日本では比較的新しい薬剤ですが、ガイドラインでも推奨される薬剤です。アクアチムのような抗生物質と異なり、耐性菌を生じにくい点が大きなメリットです。

クリンダマイシン(商品名:ダラシンTゲルなど)は、アクアチムと同じく抗生物質の外用薬です。作用機序はナジフロキサシンとは異なり、細菌のタンパク質合成を阻害することでアクネ菌の増殖を抑えます。アクアチムとクリンダマイシンはどちらも抗生物質ですが、薬剤耐性のパターンが異なるため、一方が効かない場合にもう一方が効くケースがあります。

内服抗生物質(ミノサイクリン・ドキシサイクリンなど)は、重症のニキビや広範囲のニキビに使用される飲み薬です。外用薬では対処しきれない重いニキビの場合には内服薬が検討されますが、全身への影響や耐性菌のリスクを考慮して使用されます。外用薬であるアクアチムは全身への影響が少ない分、副作用の面では内服薬より有利といえます。

🎯 市販薬との違い:なぜ処方薬が必要なのか

ドラッグストアなどで購入できるニキビ向けの市販薬もたくさんあります。では、なぜアクアチムのような処方薬が必要なのでしょうか。市販薬と処方薬の違いについて説明します。

市販のニキビ向けスキンケア製品や薬には、イオウ、サリチル酸、グリチルリチン酸などの成分が含まれているものがあります。これらは角質の柔軟化や毛穴のつまりを解消する効果や、軽い抗炎症作用を持つものもありますが、医療用の抗生物質に比べるとアクネ菌への抗菌効果は限定的です

処方薬であるアクアチムが優れている点は、まず成分の有効性です。ナジフロキサシンはアクネ菌に対して直接強い抗菌作用を持つ医療用成分であり、市販薬に含まれる成分とは比較にならない抗菌力があります。

また、処方薬は医師の診察に基づいて処方されるため、ニキビの状態を正確に評価した上で適切な薬が選ばれます。ニキビと思っていても、実は別の皮膚疾患であるケースもあります(酒さ、毛包炎、脂漏性皮膚炎など)。医師の診察を受けることで、正確な診断のもとで最適な治療を受けることができます

ただし、市販薬にも役割はあります。軽度のニキビや、皮膚科に受診する時間がない場合の一時的な対処として市販薬を使用することは一つの選択肢です。しかし、中等度以上のニキビや、何週間使用しても改善しない場合は、早めに皮膚科やニキビ専門クリニックを受診することをおすすめします。

アクアチムをはじめとする処方薬によるニキビ治療は、保険診療で受けることができます。市販薬を長期間購入し続けるよりも、処方薬による正規の治療の方がコストパフォーマンスが優れていることも多く、早めの受診が結果的に経済的負担を軽減することにもつながります。

📋 アクアチムを使っても改善しない場合はどうする?

アクアチムを処方通りに使用しているにもかかわらず、思ったような効果が得られない場合があります。このような場合にはどうすればよいでしょうか。

まず、使用から数週間程度で効果が出ない場合、いくつかの原因が考えられます。一つ目はアクネ菌の耐性です。アクアチムの成分であるナジフロキサシンに対して耐性を持つアクネ菌が存在する場合、薬が効きにくくなります。近年、ニキビ治療に使用される抗生物質への耐性菌の問題は世界的に増加しており、日本でも報告されています。この場合は別の種類の薬剤への切り替えや、過酸化ベンゾイルなど耐性菌が生じにくい薬剤との組み合わせが検討されます。

二つ目の原因として、ニキビの重症度が高い場合や、アクアチム単独では対処しきれないほど多くのニキビがある場合があります。この場合は、内服抗生物質の追加や、複数の外用薬を組み合わせた治療への変更が検討されます。

三つ目として、ニキビの原因がアクネ菌の感染だけでなく、ホルモンバランスの乱れが大きく関与している場合があります。特に女性の場合、月経周期に関連するホルモン変動がニキビに影響することが多く、抗生物質だけでは十分な効果が得られないことがあります。このような場合は、ホルモン治療(低用量ピルなど)の追加が検討されることがあります。

四つ目として、実はニキビではなく別の皮膚疾患であるという可能性もあります。酒さ(ロザセア)、毛包炎、脂漏性皮膚炎などはニキビと見た目が似ていることがありますが、治療法が異なります。このような場合はアクアチムでは効果がなく、正確な診断に基づいた治療への変更が必要です。

効果が感じられない場合は自己判断で使用を続けたり中断したりせず、処方した医師に相談してください。ニキビ治療は長期的な取り組みが必要なことが多く、状況に応じて治療を調整しながら進めていくことが大切です。

また、アクアチムでの治療に限界を感じる場合は、ニキビ治療の専門クリニックへの受診も選択肢の一つです。専門クリニックでは最新のニキビ治療薬や、光線治療(LED治療)、ケミカルピーリングなどの医療的な処置も提供されており、より包括的なニキビ治療が可能です。

💊 よくある質問

アクアチムはどんなニキビに効果がありますか?

アクアチムは、赤く腫れた炎症性のニキビ(赤ニキビ・膿ニキビ)に特に効果的です。アクネ菌の増殖を抑制することで炎症を鎮めます。一方、毛穴づまりが主な原因の白ニキビや黒ニキビへの効果は限定的なため、症状に合わせた治療法を当院の医師にご相談ください。

アクアチムの効果はいつごろから実感できますか?

使用開始から1〜2週間で赤みや腫れの軽減を感じ始める方が多いです。ニキビ全体の数が減り、肌状態が明らかに改善するのは4〜8週間後が目安です。ただし個人差があるため、効果が感じられない場合は自己判断せず、処方した医師に相談することが大切です。

アクアチムのクリームとローションはどう使い分ければいいですか?

クリームタイプは保湿力が高く、乾燥肌や乾燥しやすい季節に適しています。ローションタイプはさらっとした使用感で、オイリー肌や広範囲への塗布、背中など毛が多い部位に向いています。どちらも有効成分は同じナジフロキサシン1%です。最適な剤形は当院の医師にご相談ください。

アクアチムを長期間使い続けても大丈夫ですか?

長期間の使用は耐性菌が生じるリスクを高めるため、注意が必要です。自己判断で使用を継続せず、定期的に医師の診察を受けながら治療期間を管理することが重要です。症状が改善した場合も自己判断で中断せず、必ず当院の医師の指示に従って使用してください。

アクアチムを使っても改善しない場合はどうすればいいですか?

効果がない場合、耐性菌の存在やニキビの重症度、ホルモンバランスの影響、または別の皮膚疾患の可能性が考えられます。自己判断で使用を継続・中断せず、処方した医師にご相談ください。当院では状況に応じて治療薬の変更や、複数の薬剤を組み合わせた治療など、最適な方針をご提案します。

🏥 まとめ

アクアチムはニキビ治療において非常に有用な抗生物質の外用薬です。主成分のナジフロキサシンがアクネ菌に対して強い抗菌作用を発揮することで、炎症を伴う赤ニキビや膿ニキビの改善に高い効果を示します。クリームとローションの2剤形があり、肌質や使用部位に合わせて選ぶことができます。

正しい使い方としては、1日2回の使用が基本であり、洗顔後に清潔な状態で患部に薄く塗布します。副作用としては皮膚の刺激感、かゆみなどが起きる場合がありますが、多くは軽度です。ただし、長期使用による耐性菌のリスクには注意が必要であり、医師の管理のもとで適切な期間使用することが重要です。

アクアチムは特に炎症を伴うニキビに効果的ですが、毛穴のつまりが主な原因の白ニキビや黒ニキビには効果が限定的です。そのため、アダパレンや過酸化ベンゾイルなど他の薬剤と組み合わせた治療が効果的な場合も多く、自分のニキビの状態に合った治療法を選ぶためにも医師の診察を受けることをおすすめします。

ニキビは適切な治療と生活習慣の改善を組み合わせることで、多くの場合改善できる疾患です。アクアチムの特性を正しく理解し、医師の指導のもとで使用することで、ニキビのない健康な肌を目指しましょう。アクアチムを使用しても改善が見られない場合や、副作用が気になる場合は、ためらわずに医師に相談することが大切です

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が策定した「尋常性ざ瘡(ニキビ)治療ガイドライン」に基づき、アクアチム(ナジフロキサシン)を含む外用抗生物質の推奨度・使用方法・耐性菌リスクに関する根拠情報として参照
  • 厚生労働省 – 厚生労働省が承認したナジフロキサシン(アクアチム)の添付文書・審査報告書に基づき、成分の効能・効果、用法・用量、副作用、使用上の注意点に関する公式情報として参照
  • PubMed – ナジフロキサシンのアクネ菌(Cutibacterium acnes)に対する抗菌活性・抗炎症作用・耐性菌に関する国際的な査読済み臨床研究・基礎研究の文献情報として参照

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